お正月なので色々ネタ的に面白そうな論文読んでみた
はじめに
前提知識不要の面白論文を幾つか紹介致します、
暇なお正月を利用して読んでみましょう!
1. 明治期における学生男色イメージの変容~女学生の登場に注目して~
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006474771
概要
1900年前後の「男色」に関するイメージが
「女学生」の登場によりどのように変化していったかを説明した論文。
この論文によると、
■1800年代後半から1900年くらいまで
男性間の性行為を禁止する法令が施行されたりしつつも、
「男色は男同士の友情を深めたり知的交流の一環であったりするのだ!」
というノリで男色者は勿論知識人の中でも割と男色が肯定的に受け止められてたっぽい。
そもそも周囲に女性が居らず「女性と付き合う」
がほぼ遊郭などに行くことを意味していたため、
「遊郭の女とかマジアホだし!あんなのと付き合っても得るものないし!*1」
という感じで男色の優位性が説かれていた。
■1900年以降
女学生が爆発的に増加することにより男色のイメージと意味合いは一変。
「女学生と恋愛する→結婚する→家庭を築く→ハッピーライフ!
異性との恋愛に意味はある!
しかし男色はどうなのかね?非生産的では!?」
みたいな感じになり、以前あった男色優位説が廃れ
「男色=異性恋愛の代替物」的な感じになった
硬派/軟派のイメージ遷移
1800年代後半では「硬派/軟派」とは「男色/女色」という違いだったが、
女学生の爆発的増加により
「下級生に鉄拳制裁/下級生と男色(を含め色恋に夢中)」
という現代の我々が硬派/軟派という言葉に抱くイメージと合致してくる。
1800年代後半の硬派がなぜ男色をしていたかというと
単なる性的欲求を満たすためってだけじゃなくて、
少年漫画でいう殴り合いで友情を深める的な意味合いも含んでいたっぽい。
女学生の推移
- 1889年:8.857人
- 1909年:51,781
- 1919年:103,498
と爆発的に増加している。
それにつれ男子学生の恋愛対象として自然と女子率が上がってきた。
感想
周辺知識が無いので「え、それそんな断言しちゃって良いの???」
的な箇所は幾つもあったけど、先行研究との差異/独自性明示してたり
資料をすげーわかりやすく明示してて門外漢でも読める質になってる。
専門的にはどうなのかわかんないけど書き方として良い論文ですね、
内容も面白かったです。
これ読んで初めて意識したのですが、男性同士で性行為をする場合、
- ホモセクシャル:性自認=男性で、男性とのみ性行為をする
- バイセクシャル:性自認=男性で、男女とも性行為をする
- 染色体的には男性だが性自認=女性で、男性と性行為をする
- 機会的同性愛:異性愛者だが周囲に同性しか居ないため代替として男性と性行為をする
の4つがメインなのかなと思っていましたが
(門外漢なので詳細は知らない)
それとは別に
- 機能的同性愛*2:何らかのメリットのために男性と性行為をする
というのもあるんだなーと思いました。
(あくまで当時の言説として)女性と親睦深めても意味ないし、
男性同士腹を割って深く話し合うためにはさらけ出し合わないといけない
→性行為だ!
ってのもあったのかーと。
2. 女子大生のホームレス観 : 共学大学と女子大学とのアンケート結果から
http://ci.nii.ac.jp/naid/110000473163
概要
ホームレス観について、VTR見せる前と見せた後で
アンケート結果に変化があるかどうか調べたもの。
ちょっと変ってるのが、切り口としてアンケート対象者を
「共学の学生/共学の女子学生/女子大生」
という分け方にしており、
VTR視聴前後のホームレスに関する客観的認識変化について
共学男子学生は共学女学生の3倍変化し、
女子大学生は共学女学生の2倍変化したという結果になったこと。
感想
データとしては面白いし切り口もちょっと面白いんですが、
結局アンケート結果並べ立てただけで何ら分析してないし考察与えてないので
論文としては辛い。学部生がレポートであげてきたら不可つけたい。
質問紙の項目も色々難がある
(2.話しかけられたケースもあるのでは?
7.行政以外のボランティアなどの対応については?
などなど)
しアレだなと思ったら著者が(当時)助教授ということでヒー。
まぁデータとしては面白いので眺めた。
3. 高校野球指導における丸刈りが選手の心理および打撃成績に及ぼす影響
概要
!!!!!!丸刈りにすれば意識と成績が改善される!!!!!!!!
感想
著者には即刻ご退職して路頭にお迷い頂きたい。
80項目のアンケートとかおかしいやろ、ってか用いた質問紙出せや糞が。
対照群がないだろ、丸刈り前後の成績を比べたって
未熟な高校生が半年経過すれば実力上がるのは当然だろ、
対戦高の影響結局どう扱ったんだよ。
アンケートの結果意識改善が~とか言ってるけど、
丸刈りを強制させた権力者である人間が行うアンケートで
「丸刈りマジ糞でしたわ」とか思ってても答えられるかボケ。
読んでて苛々したので読み切れませんでした、申し訳ありません。
4. 日本の大学生におけるうつのしろうと理論 : テキストマイニングによる形態素分析とKJ法による内容分析
http://ci.nii.ac.jp/naid/110009509330
概要
学生のうつに対する認識を知りたい。
学生を対象とし、うつについて幾つか質問に自由記述で答えて貰った結果を
テキストマイニングに掛けてどんな認識してるのか調べてみた。
割とうつが自分には関係無い他人事だったりダメ人間だからかかるとか
そういうんじゃないっすよという認識ちゃんと持ってるっぽいことが示唆された。
5. 走行中のブラジャー着用時の乳房振動とずれの特性
http://ci.nii.ac.jp/naid/10016428104
概要
ブラジャー、フィット感重要だけど、運動中のフィット感測定するの難しいよね。
なので運動時の乳房の3次元偏位や乳房振動をうまいこと使って
良い感じに測定する手法編み出したよ。
感想
「なお、本研究の被験者は若年女子で、乳房は半球状をした堅めの乳房である」
ほぅ。
「ずれやすい部位は下カップの正中側」
ほぅ。
興味深い(キリッ
11. 網タイツの印象における柄及び肌露出度の影響
http://ci.nii.ac.jp/naid/110008916049
概要
色んな網タイツの魅力や上品さについて調べてみた!
露出が大きすぎても少なすぎても魅力は損なわれ、露出が大きくなるほど下品であるという結果が得られた。
感想
アパレル関係の分析ってこうするんだ、へーってのがわかって面白かったです。
手法手順も良い。評価軸ってそういうの設定するんだーって参考になった。
12. ミネラルウォーターに対する女子短大生とラットの嗜好性の類似
http://ci.nii.ac.jp/naid/110003168705
概要
女子短大生とラットにミネラルウォーター飲ませたらかなり好み似てた。
具体的には硬度が低め(60mg/l)くらいが美味しいらしい。
13. 制服着用下における学生の下着着装の意識と実態 : 第1報
http://ci.nii.ac.jp/naid/110000978837
概要
最近身体の発達が良いとか言われてるけど、中一女子の過半数がブラを着用してない。
感想
とりあえずこれだけは読め。
14. 女性の体に関するかたちの美しさの評価とその好適補整提案システムについて : その1胸部形状について
http://ci.nii.ac.jp/naid/110002867154
概要
おっぱいの美しさを評価するシステム作るよ!!!
感想
想像以上に実用されるとよさげな研究でした。
ブラジャーによってどのように乳房の形状が補正されるかは
購買時結構関心高い事項だと思われるのですが、
かといってあれこれ試すのだるい。
どういう乳房ならどういうブラを付けるとどのように
形状補正されるのかコンピュータがぱちっとはじき出してくれると良いですね。
15. ブラジャー着用時と非着用時の運動中の乳房振動特性
http://ci.nii.ac.jp/naid/110003166950
概要
「非着用時の乳房振動は乳房の硬さ指標と相関が高く,柔らかい乳房が硬い乳房より振幅が大となった」
感想
「乳房の硬さは体格や乳房のサイズと相関が見られない」
という新たな、そして重要な事実を得た。
今後積極的に活用していきたい(キリッ
16. 男子中学生に対する「丸刈り」指導の効果に関する研究 : 都道府県別「丸刈り強制率」と各種指標との関連
http://ci.nii.ac.jp/naid/110000479627
概要
丸刈り強制とか基本的人権を制限する糞なんだけど、
賛成派は「丸刈りすることによって学力向上とか色々メリットが~」
とかほざいてるので、実際そんな好影響あるのか調べてみたら、んなもん無かった。
感想
分析自体も良いんだけど考察が滅茶苦茶熱いので一読頂きたいです。
17. 皇居におけるタヌキの食性とその季節変動
http://ci.nii.ac.jp/naid/110007185436
概要
タヌキさんは決まったところで糞をする習性あるので、
糞からタヌキさんの食生活とか季節への対応とか調べてみたよ!
真冬とか結構生活厳しいのではと思ってたけど、
タヌキさん雑食なので落ちてる木の実とか虫とかで結構凌げるみたいだよ!
感想
!!!!!著者!!!!!!!!